木の家具を長持ちさせる方法
天然木、天然塗料仕上げの良い家具をより長持ちさせるには、正しいお手入れの仕方、扱い方を知ることが何より大切です。こちらでは、世代を超えて受け継がれる木の家具、いつまでも愛着を感じさせてくれる良い木の家具の普及とリユースを独自の手法で推進する「一般社団法人 ハウスオブツリー協会」が、天然木からできた家具の寿命を延ばす方法について解説します。
天然木・天然塗料仕上げの家具の寿命を延ばす方法について
木の家具の代表格であるテーブルは、とても長い寿命があります。主な劣化の原因は、表面に付着した汚れや接合部分のゆるみなどの放置なので、日頃のお手入れが行き届いているほど長持ちさせることができます。
お手入れは、通常は表面を傷つけないよう柔らかい布で乾拭きすることをおすすめします。水拭きでも十分に絞ったものなら大丈夫です。なお、お手入れを怠ると、カビの発生や腐食の原因にもなりかねません。日々のこまめなお手入れを欠かさないようにしましょう。そして、半年から1年に1回は天然塗料や天然ワックスで拭きあげ、表面に潤いを保つようにしてあげましょう。
日常的に使用頻度の高いダイニングテーブルでは、細かい傷やへこみが生じやすいもの。その傷やへこみを、家具の味として楽しめることができるならそのままでもよいでしょう。ただし、気になるようなら、その箇所にサンドペーパーなどをあてて、表面のキズを目立たなくした後に天然塗料や天然ワックスで拭きあげると、ほぼ元通りになります。また、小さなへこみには濡れ布巾を当ててその上からアイロンがけ(低温で)すると復元します。
一般的な家具を長持ちさせるために必要なこと
素材の性質をよく理解する
劣化の進行や、衝撃やストレスに対する強さは、家具に用いられている素材によって大きく異なります。したがって、家具を長持ちさせるには、素材ごとの特性をよく理解することが大切です。とくに、木材や布、金属は温度や湿度の変化に敏感な素材。特に天然木・天然塗料仕上げの家具は室内の温度の変化や乾燥で反りや割れが生じる可能性があります。
また、綿や麻、羊毛といった天然繊維も湿度などによって伸び縮みが生じ、ダメージを受けます。さらに、直射日光に当たれば紫外線によって劣化が進みやすくなることも知っておきましょう。強固に見える金属も、水分などの付着などでサビや腐食が生じます。家具を長持ちさせるには、素材の特性に応じた温度・湿度管理が重要になってくるのです。
木の家具を長持ちさせる日常的なケア
高級な家具ほど、素材の特性に応じた劣化対策が施されています。しかし、それでも経年の変化や使用による劣化は、十分にケアされていないと急速に進んでしまいます。では、どうお手入れすればよいのでしょう。
乾いた布でていねいに汚れをふき取る
ダイニングテーブルのように毎日使用する家具は、天板の表面が汚れやすいもの。固く絞った布巾による水拭きと、乾拭きの2段階でお手入れすれば、日常的に生じるたいていの汚れは除去できます。
風通しのよい場所に置いてカビを防ぐ
チェストやキャビネットなどは、どうしても背面のお手入れがしにくいのが難点です。しかし、面倒だからとお手入れを怠ると、風通しの悪い背面には湿気がたまり、カビが発生して家具の寿命を縮めます。定期的に背面を清掃し、しばらく風通しのよい場所に置いておけば、カビの発生も防げて一石二鳥です。
直接日光や冷暖房機器からの影響を避ける
サッシなど開口部に近い場所にあると、直射日光に晒される時間が多くなり、木質素材や布などの劣化が進みます。また、エアコンやストーブのそばは、過乾燥になることが多いので、お使いにならないことをおすすめします。
家具を長持ちさせるメリット
日常のお手入れを実践することで、家具の寿命は想像以上に延びるもの。もちろん、見た目の美しさも保たれるので、室内の印象もぐんとよくなります。しかし、家具を長持ちさせるメリットはそればかりではありません。
たとえば──
- 状態がよければ、手放す場合でも高値で買い取ってもらえる。
- 親子代々に受け継がれることで、一家の歴史を物語る家具になる。
といったメリットも。