木の家具の表面仕上げと塗料
現代の木の家具の表面仕上げには大きく「オイル塗装」や「ウレタン塗装」等色々な塗装方法があります。塗料の素材が天然由来か化学合成かで物性も違い、メリットやデメリットも異なります。その性質の差をよく理解した上で、家具を選ぶと間違いがありません。ここでは、木の家具の表面仕上げと塗料について、オイル塗装の場合とウレタン塗装の場合で、見た目やお手入れのしやすさ、メンテナンス性、安全性、コスト面などがどう違ってくるのか「一般社団法人 ハウスオブツリー協会」がご説明します。
木の家具の塗料について
オイル塗装とウレタン塗装について
家具の塗装には大きく「オイル塗装」と「ウレタン塗装」の2通りがあり、それぞれについてご説明いたします。両者には素材の違いだけでなく、見た目(仕上げ)や傷の付きやすさ、お手入れのしやすさなどさまざまな面で違いがあります。どちらが良い・悪いということではありませんが、購入する場合は両者の違いをよく知っておくことが大切です。
当協会は、修理のしやすさや環境・健康への負荷の低さなどからオイル塗装の家具を推奨しています。
オイル塗装(天然塗料) | 天然の植物性油脂を主原料とした塗料を木の内部まで浸み込ませる仕上げ法。 |
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ウレタン塗装(化学塗料) | ウレタン樹脂というプラスチック素材を薄くコーティングする仕上げ法。 |
オイル塗装とウレタン塗装のメリット&デメリット
比較項目 | オイル塗装 | ウレタン塗装 |
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見た目 | 〇木の素材を生かした自然な感じを醸し出す。 | △光沢感があるので、木の自然な風合いに欠ける。 |
感触・手触り | 〇温かい手触りが好感触。 | △オイル塗装に比べ冷たい感触。 |
お手入れ | 〇固く絞った布巾による水拭き、乾拭きの2段階で十分きれいに。 〇表面がカサついてきても、メンテナンスオイルやワックスを塗れば復元。 |
〇水気のあるものをこぼしてもサッとふき取るだけでシミになりにくい。 |
傷・へこみの 修復 |
〇軽微な傷は、紙やすりでこすり、オイルを塗るだけで解消。 〇へこんだ部分に濡れた布などで水分を含ませ、熱を与えることで修復可能。 |
×一度できた傷やへこみは修復が難しい。 |
変形耐性 | △木が呼吸して生きているので、湿度の変化で反りや割れ、曲がりが生じやすい。 | 〇ウレタン樹脂で表面をコートしているので湿度の変化に強く、反りや曲がりが生じにくい。 |
危険性 | 〇天然素材なので人体への危険性は低い。赤ちゃんがいらっしゃる場合でも安心です。 | △ウレタン樹脂は化学合成の素材なので危険性という面ではオイル塗装に軍配が。それでも、日常的に使うにはとくに問題はない。 ×メンテナンスの際に、ウレタン塗料をはがすために強い薬剤を使用するので、環境や作業する人への悪影響が懸念されています。 |
新品の価格 | △ウレタン塗装の家具よりやや高価。 | 〇オイル塗装の家具より安価。 |
修理のときの価格 | 〇作業がしやすいので安価。 | ×塗装面の修復にはオイル塗装の家具より時間とコストがかかり高価。 |
最終的にはユーザーのライフスタイルや考えで
上記の表ではメリットの多さでオイル塗装の家具が有利な印象ですが、日常的なお手入れがラクなこと、湿度などの環境変化による反りや曲がりが生じにくいことなど、ウレタン塗装の家具にも優れた点がいろいろあります。最終的には、お買い求めになる方の好みや用途で選んでいただくのがベストでしょう。ただ、世代を超えて使い継がれる良い木の家具の普及を目指す当協会としては、メンテナンス性や人体への危険性、環境性能に優れたオイル塗装の家具を推奨しています。